2008年4月13日日曜日
2007年10月11日木曜日
Mukshin、フランス、韓国に配給
"'Mukhsin' goes to France, S. Korea
Mukhsin, the third feature film by director Yasmin Ahmad, will be distributed in France and South Korea next year."
The New Straits Times Online......:
ヤスミン監督のMukshinが来年フランスと韓国での配給が決まったという記事がNew Straits Timesに出ています。
これはマレーシア映画では初めてのこと。具体的には、フランスは映画での上映、ビデオ販売、テレビ放映の権利、韓国はテレビ放映の権利を獲得したとのこと。
ちなみに、日本ではどうかというと、Mukshinは去年の東京国際映画祭のマレーシア映画特集「マレーシア映画新潮」で上映され、その後、エースジャパンで25,000円(税込・送料別)で貸し出されています。
詳しくは、こちらのページの、「映画の貸出」→「貸出作品リスト」に載ってます。
http://www.acejapan.or.jp/film/
2007年10月7日日曜日
SENSORS : BANNED BOOKS & OTHER MONSTERS
現在、KLでもっとも活気があるアートセンターといえば、Central Market Annex。Central Marketには民芸品、土産物屋が集まり、中華街から近いという便利さもあって、KLの数少ない観光スポットとして知られているが、Central Market Annexは文字通りその別館。もともとの古い建物を改装し、ギャラリー、小劇場、映画館などの施設が作られている。KLPacよりもポップで、国立美術館NAG周辺よりも自由で、KLCCよりもアーティスティックな、不思議な空間になった。「過激」とも思える企画もあり、マレーシアの表現の幅を拡げている場となっている。
ここで今行われている展覧会がSENSORS : BANNED BOOKS & OTHER MONSTERS。若手女性アーティスト、SHARON CHINの個展。マレーシアの検閲をテーマにした展覧会はCentral Market Annexにふさわしい。
しかし、検閲、発禁に関して、アーティストはどういうイメージを持ち、それをどう表現するものだろう。日本だと、赤瀬川原平の千円札裁判の時に起きたことなどを思い出したりするが、このSHARON CHINの発想には笑った。
1970年以降の発禁処分の件数の線グラフを鉄線で作ってある。そして、先っぽに小さな輪(輪の中を鉄線が通る)が付いた棒で鉄線をなぞり、輪が鉄線に触れたらサイレンが鳴りだすという仕掛けなのだ。日本でもこういうゲームが売られていたでしょう。テレビのお笑い番組でも使われていたのを覚えている。
当たり前だけど、もし発禁件数がほとんどなかったり、一定数で推移していると、サイレンを鳴らさずにクリアーすることは難しくない。ところが、1990年代半ばに件数が激増したりするものだから、山が大きくなってしまい、サイレンを鳴らせることになってしまう。観客は、サイレンを鳴らす度に「引っかかってしまった」(鉄線に、だけど検閲に?)と感じるわけだ。
もうひとつのインスタレーションは、暗闇の中を観客が懐中電灯で照らして見る。真っ暗になった部屋の壁に、扉が付いた小振りの木の箱(鍵箱というのかしら、鍵をたくさん収納する箱がありますよね。あんな感じ)がくっ付いている。扉を開けると、中には発禁になった書籍の情報(タイトルとか年度とか)が書かれた紙の上に、古今東西の妖怪が描かれているというもの。10余の箱の中に、どういうわけか、日本の妖怪が3点あった(ちなみに、般若と餓鬼と、ろくろ首)。
平和で落ち着いた国に見えるマレーシアだが、言論の自由という面では非常に不自由な国であり、文学、映像、美術、演劇、舞踊等々ジャンルに限らず、アーティストはどこかで権力の存在を意識しないではいられないだろう。ちょうど、kakiseniに、Kathy Rowland(kakiseniの創立者の一人)のPlaying Catch Up: Recent Censorship of Culture and the Arts in Malaysiaというレポートが載っていて興味深い。最近では特に宗教(イスラム)を巡る問題がセンシティブな問題となっているが、権力が直接検閲するだけでなく、一般の市民、メディア、市民団体などによる「検閲」の事例が多くなっているという。そして、そもそもこのような宗教的な不寛容が強くなったことの背景には、イスラム政党であるPASに政治的に対抗するために取られたUMNOのこれまでの政策があるのだという。しかし、この報告に紹介されているだけでも、どんなに「検閲」がしばしば発生しているのかにびっくりする。検閲される方に妖怪がいるのか、それともその逆なのか。果たして。
釜山国際映画祭でマレーシア映画特集
昨年の東京国際映画祭に続けとばかりに、今年の釜山国際映画祭でもマレーシア映画が特集上映されている。 Three Colors of New Malaysian Cinemaという特集タイトル。
上 映作品は9本。うち4本がWorld Premier上映。その中には、James Leeの新作Waiting for Loveや、個人的に楽しみにしているもうすぐマレーシアでも劇場公開のFlower in the Pocketも含まれている。このFlower in the PocketはNEW CURRENTS AWARDにもエントリーしている。果たして、去年Tan Cui Muiに続くことができるか。HPに曰く、
上 映作品は9本。うち4本がWorld Premier上映。その中には、James Leeの新作Waiting for Loveや、個人的に楽しみにしているもうすぐマレーシアでも劇場公開のFlower in the Pocketも含まれている。このFlower in the PocketはNEW CURRENTS AWARDにもエントリーしている。果たして、去年Tan Cui Muiに続くことができるか。HPに曰く、
Special Programs in Focus詳しくはこちら。
Currently, Malaysia is witnessing the appearance of a new generation in filmmaking. Owing to the spread of digital technology, this new generation reflects the uniqueness of the multiracial and multilingual Malaysian society. The films are produced in multi or intersecting languages, and deal with various issues and topics."
2007年10月6日土曜日
マレーシアで初めての3Dアニメ来年公開。Geng: The Adventure Begins
マレーシアで初めての3Dアニメ来年公開が決まった。タイトルはGeng: The Adventure Begins。
- Les’ Copaque Production Sdn Bhd制作
- Mohd Safwan Abdul Karim 監督
- Muhammad Usamah Zaid アニメーション監督
- Mohd Nizam Abdul Razak マーケッティング担当 24歳!
制作費は4百万リンギというから、1億5千万円近く。マレーシア政府から相当な額の支援を得たというから(科学技術省からRM百万、観光省からRM20万)、政府としてもコンテンツ産業育成に力を入れているということなのだろう。
ロシアのVoxell Groupからは15カ国への配給のオファーがあったり、中国ベースのZhongna Animation Groupから次回作の共同制作のオファーがあったり、なかなかマーケットの反応もいいらしい。
6人の子供達がKampong Durian Runtuhの秘密を探るという話。Upin とIpinという双子のキャラクターは、テレビのアニメシリーズにも既に登場している。トレーラーがこのサイト(http://www.gengthemovie.com/)から見られるけど、結構かわいい。果たして、マレーシアオリジナルの国民的キャラクターが誕生するだろうか。
映画は儲からない
ちょっと古いネタだけれど、8月9日に掲載されていたThe Malay Mail 恒例の調査によれば、今年の1月から上映された映画11本のうち、黒字になったのは3本だけだそうだ。結果は次の通り。
Syaitan
- 制作費:1,260,000
- チケット収入:490,000
- 合計:▲290,000
- 制作費:2,200,000
- チケット収入:1,500,000
- 合計:▲590,000
- 制作費:1,280,000
- チケット収入:1,000,000
- 合計:▲690,000
- 制作費:1,000,000
- チケット収入:1,900,000
- 合計:140,000
- 制作費:1,700,000
- チケット収入:6,400,000
- 合計:2,100,000
- 制作費:1,200,000
- チケット収入:2,300,000
- 合計:170,000
- 制作費:2,950,000
- チケット収入:1,190,000
- 合計:▲2,250,000
Waris Jari Hantu(今年のマレーシア映画祭最優秀監督賞、男優賞)
- 制作費:2,200,000
- チケット収入:1,700,000
- 合計:▲1,100,000
- 制作費:1,700,000
- チケット収入:66,000
- 合計:▲1,300,000
Diva
- 制作費:2,960,000
- チケット収入:300,000
- 合計:▲2,790,000
しかし、ホラー映画にまじってMukhsinとSUMO-LAHは健闘した。Mukhsinは黒字だし、SUMO-LAHは制作費が大きすぎて黒字にはなっていないけれど、チケット収入では4番目。きっとたくさんスポンサーがついていたから、ある程度何とかなっているのではないのだろうか。とにかく、全体としてあまり信用できる数字ではないような気がする。
なお、SUMO-LAHの原作・脚本をしたKubotaさんのブログによると、SUMO-LAHは福岡映画祭で上映されたとのこと。おめでとうございます。 http://japanmalaysia.at.webry.info/
登録:
投稿 (Atom)